約 3,574,412 件
https://w.atwiki.jp/chinihi/pages/65.html
スーツ攻略[武装神姫] ■No 1691 天使型アーンヴァル HP MP 防御 速さ 命中 重量 地上 水中 市街 空中 タイプ ポイント 名声 レベル 500 500 70 95 95 50 1 -2 0 5 - 2000 120 50 スーツ特殊能力 -2 専用装備 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 ジャスティススラッシュ 乱舞攻撃 武器 120 99 30 10 0 25 - 備考: 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 ハイパーブラスト フォトンランチャー 武器 190 99 110 20 40 70 シールド無効 備考: 装備名 派生元装備 種類 重量 補足 リアウイングAAU7 ジェットブーツ 装備 15 速さ1.5倍 備考: ■No 1692 悪魔型ストラーフ HP MP 防御 速さ 命中 重量 地上 水中 市街 空中 タイプ ポイント 名声 レベル 600 400 85 45 75 55 5 -3 1 -3 - 2000 90 47 スーツ特殊能力 -13 専用装備 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 デモニッシュクロー ブラックキャット 武器 150 99 50 15 0 15 - 備考: 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 シュラム・RvGNDランチャー バズーカ 武器 120 15 1 10 40 90 - 備考: 装備名 派生元装備 種類 重量 補足 FL013アーマーセット スモーキングプレート 装備 20 防御+60速さ-15 備考: ■No 1693 花型ジルダリア HP MP 防御 速さ 命中 重量 地上 水中 市街 空中 タイプ ポイント 名声 レベル 400 600 53 90 115 35 0 0 2 3 - 2000 90 45 スーツ特殊能力 -19 専用装備 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 フラクシャスバインド バルダースピア 武器 130 99 50 10 0 30 麻痺 備考: 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 フレグランスキラー ハンドガン 武器 90 25 1 5 25 50 麻痺 備考: 装備名 派生元装備 種類 重量 補足 BM「ブルーミングガーデン」 フェアリィリング 装備 5 複合効果有り 備考:MP倍化、バトルモード発動 ■No 1694 種型ジュビジー HP MP 防御 速さ 命中 重量 地上 水中 市街 空中 タイプ ポイント 名声 レベル 500 500 65 65 90 45 3 -2 2 0 - 2000 100 49 スーツ特殊能力 -23 専用装備 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 パウダースプレイヤー フェイズガン 武器 95 99 20 5 30 55 - 備考: 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 収穫の季節 最後の切り札(近物) 武器 180 99 100 20 0 20 シールド無効 備考: 装備名 派生元装備 種類 重量 補足 BM「シェルプロテクション」 シールド 装備 20 複合効果有り 備考:シールド防御可能、バトルモード発動 ■No 1695 寅型ティグリース HP MP 防御 速さ 命中 重量 地上 水中 市街 空中 タイプ ポイント 名声 レベル 520 470 57 110 74 55 4 -4 2 0 - 2000 80 44 スーツ特殊能力 4 専用装備 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 極閻魔 銀の大剣 武器 120 12 1 10 0 25 - 備考: 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 真鬼王朱天斬衝波 バグナグ 武器 180 99 100 10 15 30 - 備考: 装備名 派生元装備 種類 重量 補足 BM「真鬼王光臨」 スモーキングプレート 装備 20 複合効果有り 備考:防御+30速さ-25、バトルモード発動 ■No 1696 丑型ウィトゥルース HP MP 防御 速さ 命中 重量 地上 水中 市街 空中 タイプ ポイント 名声 レベル 490 450 60 70 135 45 5 -3 0 1 - 2000 90 48 スーツ特殊能力 -11 専用装備 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 ミルキーウェイストリーム 大型バズーカ 武器 150 10 1 15 40 70 - 備考: 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 バーニングインフェルノ キラーアーチ 武器 250 99 150 25 70 99 シールド無効 備考: 装備名 派生元装備 種類 重量 補足 BM「ファストオーガ車上掃射」 スキルリング 装備 20 複合効果有り 備考:命中+30、バトルモード発動 ■No 1697 蝶型シュメッターリング HP MP 防御 速さ 命中 重量 地上 水中 市街 空中 タイプ ポイント 名声 レベル 470 580 55 125 85 45 1 0 2 3 - 2000 85 46 スーツ特殊能力 -15 専用装備 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 チャーミークリアボイス ブレス 武器 140 99 50 10 15 40 - 備考: 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 ポシェットマイン フレアボム 武器 100 15 1 10 15 40 シールド無効 備考: 装備名 派生元装備 種類 重量 補足 BM「ソングフォーユー」」 バーサークリング 装備 20 複合効果有り 備考: ■No 1698 鳥人型エウクランテ HP MP 防御 速さ 命中 重量 地上 水中 市街 空中 タイプ ポイント 名声 レベル 430 450 43 140 80 35 -1 -4 0 6 - 2000 100 49 スーツ特殊能力 -5 専用装備 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 ブレイシングブリーズ 必殺剣 武器 120 99 30 10 0 25 - 備考: 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 テンペスト 最後の切り札(遠魔) 武器 220 99 140 10 60 80 魔法 備考: 装備名 派生元装備 種類 重量 補足 BM「グライドオンプレステイル」」 スピードリング 装備 20 複合効果有り 備考:速さ1.25倍、バトルモード発動 ■No 1699 人魚型イーアネイラ HP MP 防御 速さ 命中 重量 地上 水中 市街 空中 タイプ ポイント 名声 レベル 500 500 75 90 90 45 -3 6 -1 0 - 2000 90 47 スーツ特殊能力 5 専用装備 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 ディープペネトレイション スレンダースピア 武器 100 99 12 10 0 30 水中で攻撃若干増、シールド無効 備考: 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 メランコリックメロディ 属性魔道書 武器 150 99 65 8 40 65 水中で攻撃若干増、捕縛 備考: 装備名 派生元装備 種類 重量 補足 BM「レイジオブオケアノス」 玄武の鎧 装備 20 複合効果有り 備考:水中適正増加、バトルモード発動 ■No 1700 サンタ型ツガル HP MP 防御 速さ 命中 重量 地上 水中 市街 空中 タイプ ポイント 名声 レベル 510 470 68 85 118 45 -3 6 -1 0 - 2000 70 47 スーツ特殊能力 6 専用装備 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 ホーリィナイト・ミサ スナイパーライフル 武器 120 12 1 15 65 99 - 備考: 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 ハイパーエレクトロマグネティックランチャー コスモライフル 武器 140 99 50 25 70 99 魔法 備考: 装備名 派生元装備 種類 重量 補足 BM「レインディアライディング」 レッグリング 装備 20 複合効果有り 備考:移動力+10、バトルモード発動 ■No 1701 忍者型フブキ HP MP 防御 速さ 命中 重量 地上 水中 市街 空中 タイプ ポイント 名声 レベル 400 400 35 130 100 35 1 0 5 0 - 2000 100 48 スーツ特殊能力 -14 専用装備 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 飛苦無“蓮華草” 投げナイフ 武器 90 25 1 20 20 50 - 備考: 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 蕾散らし バグナグ 武器 130 99 50 10 10 30 シールド無効 備考: 装備名 派生元装備 種類 重量 補足 面隠し“闇狐” ジェットブーツ 装備 3 速さ+40 備考: ■No 1703 犬型ハウリン HP MP 防御 速さ 命中 重量 地上 水中 市街 空中 タイプ ポイント 名声 レベル 530 420 75 55 75 35 1 1 1 1 - 2000 70 43 スーツ特殊能力 -11 専用装備 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 獣牙爆熱拳 メガトンパンチ 武器 180 99 100 20 0 15 シールド無効 備考: 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 ドッグファイトアサルト 魔道ビット 武器 90 15 1 8 30 80 魔力により攻撃力増加 備考: 装備名 派生元装備 種類 重量 補足 胸甲・心守「きょうこう・しんじゅ」 マジカルピース 装備 20 複合効果有り 備考:速さ1.25倍、命中+30 ■No 1704 猫型マオチャオ HP MP 防御 速さ 命中 重量 地上 水中 市街 空中 タイプ ポイント 名声 レベル 500 450 80 100 80 50 4 -1 2 0 - 2000 75 46 スーツ特殊能力 4 専用装備 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 サンドスプラッシュフィーバー 魔道ビット 武器 90 15 1 8 30 80 魔力により攻撃力増加 備考: 装備名 派生元装備 種類 ダメージ 耐久 消費 重量 最低射程 最大射程 補足 スーパーねこコンボ 最後の切り札(近物) 武器 200 99 110 20 0 10 シールド無効 備考: 装備名 派生元装備 種類 重量 補足 争上衣「ツェンシャンイー」 マジカルピース 装備 20 複合効果有り 備考:速さ1.25倍、命中+30
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1486.html
戦うことを忘れた武装神姫 - type_S -07 註:このSSは、完全に勢いだけで出来ています。 「Bring Me to Life」(Evanessence)をイメージ曲としています。 お手元にありましたらBGMとでもしていただければと存じます。 双腕の悪魔と言われたこのあたしも・・・ 今や、迫る闇を恐れる小さな存在・・・ 遠くに聞こえるのは・・・誰の声? あの声は、私のマスターの声ではない・・・ 確かめたいけれど、身体はもはや動かない。 私をこのままに、骸のままにしないで・・・ 暗い・・・怖い・・・ 私を、私を・・・闇が迫るここに置いていかないで!! このまま私は消えてしまうの? 二度と目を覚ますことなく・・・ お願い・・・ もう一度、私の名前を呼んで・・・ マスターの声で、私の名前を呼んで! このまま消えてしまうなんて、いやだ・・・いやだぁっ!!! でも・・・バックアップバッテリーも尽きる・・・ もう、マスターに二度と会うことも出来ないまま・・・ たすけて・・・誰か・・・助けt.......................... ドアが開かれ、彼が入ってきた。 だが、遅すぎた再会。 静かに哀しみの表情を浮かべ、無意味なものとなったクレイドルに横たわるストラーフ。 今の彼にできることは- 小さなボロボロの身体のストラーフを、そっと両手で抱きしめるだけ・・・ ふと、彼の目がクレイドルにとまった。 サイドに、あのときには無かったかすり傷のようなものが。 目を近づけるや否や、ストラーフを抱いたまま。 周囲を気にすることも無く、大声を上げて泣き崩れた。 それは、傷ではなく。 ストラーフが残した、最後のメッセージ。 -ありがと <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/969.html
武装神姫のリン 鳳凰杯篇 その3 「ふう、何とかなったな。」 鶴畑大紀は表情には何も表さないが、小さく安堵の声をだす。 ミカエルの勝手でセカンドランカー相手に黒星をこんな形でつけることになれば、自分は周囲の笑いものになると分かっていたからだ。 昨夜の出来事でミカエルのコアを変えることは確定していたが、それでもこの大会は兄に自分の力を示すための絶好の舞台なのだ。 ここで棄権という形をとることは出来ない。 だからこそ、何らかの要因でミカエルが戦う気をなくした場合の緊急用のプログラムとして"現在のミカエル"自身から体のコントロールを乗っ取り、戦闘行動を行う独立AIを仕込んでおいた。 これがこんな形で作用することになるとは思わなかったが、AIを仕込んだ彼の選択は正しかったのだ。 今このとき、"ミカエル"は生意気なことにも言葉巧みにミカエルをサレンダー一歩手前まで貶めた悪魔型に砲撃を加えている。 荷電粒子砲を撃ち、その反動を殺しつつも正確にレールガンを撃ち込む。 何とか紙一重で避けられているようだが、その尋常ならざる威力は確実に相手にダメージを与えていることだろう。 砂煙の向こうに、悪魔型の姿が消える。 砂煙の向こうに消えていくミカエルを見てもその表情は変わらない。 完全に"乗っ取られた"ままなのだ。 そう燐は確信している、たぶんこの戦闘を終らせなければ彼女と話すことも不可能だろう。 彼女を消させない。そのためにそして自分のために、勝つ。 「いくら威力があろうとも…直撃しなければ!!」 砂煙が晴れるのを待っていてはやられる、とはいえ迂闊に飛び込むのも危険。 そのため、燐は一度距離を置く。 出来るだけ音を立てずに足を思い切り曲げ、一気に蹴りだす。そうして砂煙から脱出す… 「チリとなれ」 そこを荷電粒子砲が襲う。 「それぐらい…!」 燐は滞空中に無理やり武装腕部の右手の爪を地面に突き立て、それを軸としてコンパスのように回転して進行方向を変更。 そのまま"ミカエル"へと跳ぶ。 「倒します、貴女を!!」 左手の鎌を振りかぶり、また大きくなった右腕の爪を光らせてミカエルへと突進する。 一撃目、爪による攻撃はビットのシールドに防がれるが衝撃はビットを吹き飛ばす。 そこから刹那遅く繰り出される本命の一撃。 鎌による一閃をミカエルは荷電粒子砲で受ける。 それで粒子砲は使い物にならなくなった…しかし。 「…切り裂け。ゼロ」 突然切断された粒子砲の中から飛び出した何かによって燐本体の右腕に傷が出来る。 「なっ…」 それに気をとられた隙にレールガンが撃ち込まれ、直撃は免れたものの燐は後退せざるを得なかった。 思わずひざをつく燐。 右腕の傷は浅いものの、痛みによって集中力が鈍る。 こんなことではダメだと分かっていても痛みは予想以上だ。粒子砲から出てきた"ゼロ"の刃は毒付きだったのかもしれない。 とにかく、体制を立て直す。 右腕をかばいつつも立ち上がる。 細かな傷はあるものの、武装が使用不可能になるようなダメージは無い。まだ戦える。 左手にはフルストゥシリーズによる連結刃。右腕はそれに添える。 3段攻撃。 あの技ならば、たとえ後ろから攻撃されて背部武装が砕けようがその次が己自身を撃つ前に届く。 防御は考えないで、攻撃あるのみ。 「燐、あせるな。絶対できるぞ!!」 マスターの声が聞こえる。そう言われてコレを試さないわけには行かなかった。 「行きます、風琴!」 燐はまたもミカエルへと突っ込む。ビットは先ほどと同じく防御体制だ。攻撃は通らない。 はずがビットが次々と爆発していく。 ふと見れば燐の傷ついた右手にはリボルバーが握られ、ビットが防御フィールドを張るために突き出す1点のユニットを次々撃ち抜いていく。 ミカエルもこの事態に身を翻し距離ををろうとする。が足が引っ張られる。 見れば連結刃が脚に絡まり、そこから伸びたワイヤーが燐の武装腕部につながっている。 「ち…」 ミカエルは腰から引き抜いたレーザーブレードでワイヤーを切断する。 が切断される寸前で燐がワイヤーを引き。ミカエルの体勢がを崩す。 「ゼロ!!」 また見えない何かが襲ってきてその刃はまた己の体を切るだろう。 それでも燐は止まらない、ミカエル交わした約束。 それを守るために突き進む。 「…!」 ミカエルの目前、1瞬だが鏡に光が反射したかのようなきらめきが燐には見えた。 そこにゼロがいる。そう燐は信じて右手を振り上げてトリガーを引く。 "カシャン"というあっけない音を立ててゼロが砕ける。 ゼロの正体は通常は不可視の円盤型のビット。ほぼ完璧なステルス性を持った円盤のふちが刃になった兵器。 ただ特性上、通常反射する光を98%カットしたとはいえ、まれな条件が重なった場合。神姫であればその反射光を探知可能かもしれない。 そう技術者が言っていたのを鶴畑大紀は思い出した。 そんなゼロを打ち破る唯一の手がかり。 それが燐に見えたのは持ち前の集中力の賜物だったのか、それとも運命のいたずらなのかは分からない。 それでもゼロがあっけなく落とされたのは鶴畑大紀にとって衝撃だった。 「なっ…」 ミカエルもそれは予想だにしていなかったらしい、戦闘用AIとはいえ多少の感情の幅は残っていたのか。うつろだった目が見開かれた。 「させん!!!」 いままで気がつかなかったが、腰にもう1本装備されたレーザーブレード。 それを両手に取るミカエル。 砲撃戦が得意な天使型であるにもかかわらず。あくまで立ち向かって来るらしい。 燐は気を引き閉めつつ、一度深呼吸。 それと同時にブースターを思いっきり吹かせてミカエルに迫る。もう左手に握られた鎌をぶつけるのみ。 それはミカエルも同じだった。ゼロを失った今レールガンを撃つ距離も余裕も無い。レーザーブレードで迎え撃つしかなかった。 「これで!!」 「させん!」 2つの影が交差する。 一方は銀の翼を持つ悪魔。もう一方は白き翼を掲げた天使。 どちらもがほぼ同時に墜落した。 "両者同時に墜落だ~激しく砂煙が上がる~立ち上がるのはどっちなのか…もしくはどちらも立ち上がるのか…" 実況も息を呑んでいる。 そして会場を静けさが包む。 「…まだ、折れません。」 「まだだ…」 スピーカーに燐、ミカエルの声が響く。 いっせいに歓声が湧くがまだ砂煙は晴れない。 ようやく晴れた砂煙の向こうには、右足のランディングギアをすねから下を失いつつも両手の剣は離さないミカエル。 そして武装腕部を両方とも二の腕から失って武器を失った燐。 "立ち上がった両者だが燐選手は武器が無い!!これで勝負は決まってしまうのか~" しかし燐は正面向いたまま、ふと俺のほうを見て微笑んだ。 これで俺が言いたいことが燐には伝わっているということが分かって安心する。 「武器が無いのにどうするつもりだ?」 少し余裕を見せたのか…ミカエルが聞いてくる。 「いえ、まだ私には剣が残されています。」 ガシャンという音を立てて背部ユニットが落下。 そして燐の姿は素体に基本のアーマー類のみといいう出で立ち…だた右手に光る宝石が一つ。 「バルディッシュ…ある少女を守るために使い魔によって作られた杖であり武器。たとえ天使であっても切り裂きます。」 サイドボードの容量ぎりぎりに詰め込んだバルディッシュこれで決着が付くだろう。勝つにしろ負けるにしろ。 「いくよ、バルディッシュ…」 "yes sir" 宝石が光り、魔法の杖…バルディッシュ・アサルトに変わる。それと同時に燐の背中に大きなマントが現れた。 バリアジャケットのフル装備はサイドボードに入りきらなかったため、機動能力が上がるマントを優先した結果だ。 「ふん…その程度で」 「そちらも満身創痍にみえますが?」 突然ミカエルの背後にビットが浮かぶ。全機撃ち抜いたと思っていたが生き残ったものがあったらしい。 そして最後の舞が始まる。 「……ふん、動くか…終わりにさせてもらう。」 「まだ動きますか…やっかいですね」 ミカエルが構えるのは翼につながったレールガン。弾切れもしくは壊れたと思っていたが、まだ使えるらしい。 今の燐の防御力は薄い。あのレールガンを受ければ負けだろう。 マントによって機動力こそ戦装束のときより上がっているが、その代わりとして防御力がゼロに近い状態。 レールガンの弾速からしてこの数を全弾避けるということはかなわない。 横や後ろがダメなら…飛び込むしかない。 「行きます!!」 燐は全速力で飛ぶ。 「砕けろ!!」 連射されるレールガンを避け、時にはバルディッシュでたたき落とす。 しかしそれでも少しづつ身体に傷が増え、それにつれて反応が遅れ、またしても傷を負う。それでも燐は止まらない。 「堕ちろ、堕ちろ!!」 敵ももうがむしゃらに、しかしねらいは正確に撃ち込んでくる。 マントもだんだんとその形を保てないほどぼろぼろになっている。あと…数メートル。 たったそれだけの距離だ。たどり着いてみせる。 「ええい、堕ちろといっている!!」 ビットが背後から砲撃を加えてマントの推進、滞空能力を奪おうとする。 ハーケンフォームとなったバルディッシュ・アサルトを背後に振り抜き残り3機の内2機を撃墜、残り1機は…矢のようなプラズマエネルギーの塊を発射する「プラズマランサー」で仕留める。 そして一瞬だけ肉眼では捉えられなくなるような速度へと加速する技であるブリッツラッシュを使うことにより"紙一重"でレールガンを回避。 これで使える技は無くなった。後はこのハーケンフォームの刃のみがたよりだ。 一方のミカエルも先ほどの砲撃でついにレールガンが弾切れを起こし、頼れるのは腰に備えたレーザーブレードのみになった。 「くっ、死ねぇ!!」 「私は…負けない!!」 お互いが、最後の力を振り絞って、跳ぶ。 ミカエルがレーザーブレードを振り上げ、燐がバルディッシュを横に振りかぶる。 激突。 レーザーブレードがハーケンの刃とつばぜり合いを演じる。 しかしコンディションの分だけミカエルの方が有利。しかし 「はぁ!!!」 「なっ…」 気迫は明らかに燐がミカエルのそれを上回った。 そして、 「もう、終わりにしましょう。」 「ほざくな!!」 ミカエルがレーザーブレードを力づくで振り切り、バルディッシュをはじき飛ばした。 「これで私の勝t…がぁ!」 勝利を確信していたであろうミカエルのほほに、衝撃。 燐はバルディッシュを支える腕の力を抜き、ミカエルがレーザーブレードに加える力のベクトル利用して体を回転。 そしてその遠心力を使った回し蹴りを叩き込んだのだ。 ミカエルの手から離れたレーザーブレードをキャッチし、燐はミカエルの胸の中心を穿つ。沈黙。 "勝者、燐。" スクリーンに静かにジャッジAIが下した勝敗が表示された。 ~鳳凰杯篇その4?~
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/488.html
戦うことを忘れた武装神姫 その14 ・・・その13の続き・・・ ジャッジマシンが、フィールドの準備が出来たことを知らせる。 「両者、神姫をフィールドにセットして下さい。」 久遠は、狐スタイルのシンメイを静かに置いた。 プラントフィールド、神姫 サイズの工場が次の舞台。相手は、軽装にバックパックのみの兎子。一見すると 普通の「中装備兎子」なのだが。。。 「むむ、あの兎子の装備・・・」 「ええ、本気ですね。 全く無駄がありません。」 ぼそっと呟くように答えるシンメイ。 「おそらく、このフィールド自体にも相当慣れているのでしょう。」 しばしフィールドを眺め、なにやら考えるシンメイ。 「そうだ。マスター、私の背中のハコを、緑の大きいモノに換えていただいても いいですか? ついでに、ぷちの弐号も載せて下さい。」 と、久遠を見るシンメイの顔は、普段は滅多に見せることのない、ちょっと悪戯 っ娘のにんまり笑顔。 「おっ・・・何かひらめいたな。」 言われたとおりに、緑の箱とぷち弐号を載せる久遠。 「任せて下さい。 おそらく、7分30秒以内には勝てるでしょう。」 「目標を定めるのはいいけれど、無理はしない事。いいね。」 「了解しました。 ・・・ではマスター、許可を願います。モードB・レベル5に 移行してもよろしいですか?」 「本件は重要事象である。 よって、モードB・レベルF+ を、特別に許可する。」 「・・・ありがとうございます。 では、行ってまいります。」 キィン・・・ 甲高い動作音が久遠の耳に入った。閉じられるフィールドから手を 振るシンメイの右目の色が・・・ 濃紺に変わっていた。 「それでは、本日の第3試合・吼凛『シンメイ』VSヴァッフェバニー『コリン』、 試合開始いたします。」 先までとは一転、異様なまでの盛り上がりを見せる店内。コリンに、シンメイに、 声援が飛ぶ。 「Ready-・・・ GO!!!」 ジャッジマシンの声に、両者同時にスタート。 構造物が多いフィールド内を、 互いに隙を狙うように走り回る。時折、兎子のコリンが撃つカロッテP-12の弾音 と、2人の駆け回る足音だけが、静かな工場内に響き渡る。スパイ映画のような 緊迫した様子がモニターに展開され、徐々に静まるギャラリー。 と、シンメイが足下に散らばるチェーンを踏んでしまった。一段高い通路に立つ 立つコリンは、その音により、すぐさまシンメイを発見。 しまった、という表情のシンメイの頬にレーザーサイトの赤い点が光る・・・ 間一髪、シンメイは何とか弾を避けるも、顔にかすり傷を負う。 転がるように コンテナの陰へと逃げ込むシンメイ。 -しばしの静寂-。 「ふっ。。。」 口元ににやりと不気味な笑みを浮かべたコリンは、バックパックからグレネード ランチャーを取り出し、コンテナへ向けて・・・ ガス弾を何発も発射。 猛烈な煙が、フィールドを覆う。 排気しきれずに、シールドの隙間からガスが 外へ漏れだし、近場にいるギャラリーもむせ返るほどのガス。 『いいぞ! そこで一気に決めるんだっ!』 スコープを下ろしガスマスクを装着したコリンは、P-90を模したと思しきオリ ジナルのハンドガンを手に、通路から飛び降りコンテナ裏へと廻った・・・が。 「い、いない?!」 そこに、シンメイの姿はなかった。 「けほ・・・な・・・なんですかっ! 私はゴキブリですかっ?!」 振り返ると、そこには目薬ぽちぽち差しているシンメイが。 「な・・・なぜあれだけのガスを浴びても動けるんだっ!!」 驚くコリン。モニター席のサイトウもまた、驚きを隠せずにいた。 「あぁ、良かった・・・ どうなることかと思いました。」 イオがシンメイの無事に、ほっと胸をなで下ろす。 「ガス絡みは、あいつは相当抵抗力あると思うよ。」 シンメイを信頼しきっている久遠は、コーヒー片手にのんびり観戦。 「何しろウチに来た頃、しょっちゅう殺虫剤で自爆していたからね。」 「シンメイはね、バ○サンで炊きあげられたこともあるんだよー。」 久遠に、エルガも付け加えた。 「へー、そうなんだ・・・。 あのシンメイがねぇ・・・。 くすっ!」 妙ににやにやするリゼ。いつも小言を言われているからだろうか・・・ と。 『皆さん・・・ 通信入ったままですよ・・・ けほっ・・・ あ、あとで、 覚えておいて下さいね・・・ 特にマスター。』 怒りの四つ角が見えそうな押し殺した声に、久遠のモニター席はちょっとだけ 空気が凍り付いた。。。 『・・・ん? おい、何をぼーっとしている! 相手は止まっているぞ!!』 サイトウの声が、コリンに届く。 「い、イエス、マスター!」 サイトウの叱責にP-90を構えるコリン・・・と、何かによって銃がはじかれた。 「・・・遅いですよ。」 見れば、スパナ(神姫サイズ)を数本手にしたシンメイが不気味な笑みを浮かべ ている。 コリンはP-90を諦め、A4W改を取り出しすぐさまぶっ放す。 だがシンメイは、まるで先を読むかの動きで鮮やかに弾をかわす。 「いいですよ、弐号。 ・・・同期もばっちりですね。」 ぷちの弐号、シンメイが狐型ヘッドユニットを作った際、センサー類のさらなる 感度向上を図るため、CTaに頼んでセンサーユニットとしての機能に特化させた ぷち。。。 フィールドに慣れているであろう相手との差を補うために、弐号を 選択したシンメイの読みが、見事に的中したのである。 再びフィールドは、刑事ドラマのクライマックスばりの様相を呈していた。 コリンはA4Wを手に、所狭しと逃げ回るシンメイを追いかける。 シンメイも、 今度はぷち弐号の力を借りていることもあろうか、背負った緑の工具箱から取り 出したスパナやレンチで反撃をする。しかし、コリンも相当の手練れ、ひとつと して当たるものは無く、工具はどこかへと消え、金属の当たる音が響くだけ。。。 「あと・・・3箇所・・・。 残りは4分15秒・・・いけるっ!」 ぼそっと呟くシンメイ、取り出したるは、射出可能な特殊インパクトレンチ。 再び高い位置の通路へと登ったコリンを狙い、コマを3個発射。 「はっ、どこを狙っているのか?」 余裕の表情で飛んできたコマを避けたコリン。 「狙っていたのは貴方ではありません。 ・・・2、1、0! さぁ、お祭りの時間ですっ!!」 シンメイが叫んだ。すると。 「うっ、何だっ?! 何が起きたんだっ!」 コリンの足下の通路が傾いた。 慌てて飛び降りると・・・今度は両サイドから 鉄骨が襲いかかる。 突然の事態に、状況が読めないコリンは、マスターである サイトウに助けを求めた。 『マスター!! 指示をお願いします!!』 コリンの呼びかけに、サイトウは返事をしなかった。いや、できなかった。神姫 が、自ら判断し、フィールドを崩壊させて攻撃を仕掛けるなどとは、夢にも思わ なかったからだ。 鉄骨を避け、反射的に後ろへ下がると、クレーンのワイヤーが緩みフックが落下。 崩れた鉄骨の隙間をスライディングの形で抜け出し、ドミノ倒しになる厚板材を 蹴り飛ばす。 『マスター! はやく!! 指示を!!!』 しかも、計算し尽くされた、見事なまでのトラップ・・・。 神姫に、所詮機械 人形である神姫に、こんなことができる訳がない。。。 サイトウは、半ば パニックになっていた。 返事の無いマスターに見切りをつけ、コリンは全体がトラップと化した建物から の自力脱出を試みる。休む間もなく襲いかかるトラップの数々、床を波のように 流れ来るパイプを飛び越え、降り注ぐ煤をかいくぐり・・・ 最後に、台座が緩んで転がり出した大型変圧器に、フィールドの隅へ追いつめら れてしまった。 「おー、さすが工具とトラップの天才だなー。」 美しいまでの崩壊の連鎖を、モニターでじっくり鑑賞する久遠たち。ギャラリー にもどよめきが起こる。 ・・・シンメイは、コリンを狙っていたわけではなく、トラップを構築するため に、各所に工具を当てていたのである。もちろん投げた工具は、駆け回りながら くまなく回収済み。 追いつめられたコリンが振り返ると、ざっくりとフォークが足下に突き刺さる。 シンメイの得意技、「最後のリンゴは、私が頂きます」が決まった。 「くっ・・・!」 硬直するコリン。直後、背後に気配を感じ、続いて首筋に冷たい感触が。 「・・・。」 「・・・。」 変圧器のノイズに紛れ、勘づかれることなくコリンの背後へと回ったシンメイが、 首筋にナイフを突き立てる。そのナイフは、コリンが装備していたものだった。 「私は、神姫を治すことのできる技術をもった機体です。・・・賢明な貴方なら、 この言葉が何を意味するか、おわかりになりますね?」 シンメイが静かに言った。 その言葉に、コリンは手にした銃を捨てた。 「・・・神姫の息の根の止め方も知っている、と言うことね。」 コリンは両手をあげて、ギブアップをジャッジマシンに示す。 「コリン、ギブアップ! 勝者、吼凛・シンメイ!!!」 相手を一切傷つけることない、美しい勝利。 予想外の展開に、店内は、ネット上は、大いに盛り上がった。。。 ・・・>続くっ!>・・・ <その13 へ戻る< >その15 へ進む> <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/942.html
戦うことを忘れた武装神姫 その29 これは、リゼがウチに来て間もない頃のお話- 。 ・ ・ ・ ・ ・ 「よっこいしょっと。」 大きい方のバイクのタンクを外す。満タンにしていたため、重い・・・。 あっ、しまった! 置き場を考えていなかった! ・・・と。 「ここの傘立てが丁度いいのではないですか?」 足元から声が響いた。 シンメイである。 「あらら、いつの間に。」 「マスターが外に出られたときからずっとここにいますよ。」 シンメイが指す方向には、傘立て代わりにしているビールケース。 「そうか、これを使えば良かったんだな。 ありがと、助かったよ。」 タンクを置いて工具をごそごそと漁っていると、傍らのシンメイがじーっ と俺の手元を見ている。。。 ふむ。 「おいでよ。エンジンまだかけてないから、火傷する心配も無いだろう。」 プラグレンチを引っぱり出したところで手を差し出すと、シンメイは満面 の笑みをたたえて飛び乗ってきた。 相変わらずメカ物が好きなんだなぁ、 こいつは・・・。 汚れない位置に乗せて、プラグを外す。 「もう3万キロ目前・・・。 いつ見ても、とてもそんなに走ったバイク には見えませんね。」 「まぁね。 こまめにショップでも面倒見てもらっているから。 ほい、 外れたぞ。」 プラグをシンメイに渡す。 「良い焼け色ですね。 ですが、マスターにしては珍しく交換をしばらく さぼっていましたね? この端子の具合・・・ これではエンジンのレス ポンスも悪くなっていたはずですが。」 うはw お見通しだ。 「この子、まだまだ走り続けたいっていっています。 その声にマスター もしっかりと応えてあげて下さいね。」 「はいはい、もちろんですよ。」 シンメイから渡されたプラグを見ながら、こりゃさすがに、とちょっぴり 反省。 その後新しいプラグを工具に取り付けて・・・ ふと思いついて プラグを入れたところで手を止めた。 「やってみるか?」 大した作業ではないが、これだけの大物相手はシンメイにとって初めての 経験。大きな瞳が更に大きく、輝いた。 「いいんですか? 本当に・・・!!」 「あぁ、かまわないよ。 まずは人の手のトルクで締められる所まで締め て、それから・・・1/2回転だね。」 「わかりました! 人の手のトルクで締められる所までですね・・・」 シンメイはちょっと考える素振りを見せる。おそらくトルクの計算をして いたのだろう。 その後両手でレンチをクルクルと廻して締め込んだ。 「器用なもんだねぇ。」 締め込み具合は全く問題なし。 そこで、14mmスパナを渡した。 「できるかな? 重いよ。」 「大丈夫で・・・きゃっ!!」 さすがに14mmは重いようだ。 俺はスパナを支え、シンメイにはトルク のかけ具合に集中させる。 珍しく緊張した、しかし大変に楽しそうな顔 でスパナを廻すシンメイ。 無事プラグレンチは1/2回転。。。 「はい、お疲れさん。 大変よくできました。」 「私にもできたんですねっ! ありがとうございます、マスター!」 ぎゅーっと俺の腕に抱きついてくるシンメイ。 ここまで喜んでもらえる なら小さな事だけどやらせた甲斐があるってものだ・・・って、いつまで 抱きついているんですかシンメイさん。。。 「あのさ・・・バイク組みたいんだけど。」 「あ、も、申し訳ございません!」 「そんなに頭下げなくても良いから。 バーパッドに座ってな。 さてと。 ・・・まずはタンクを載せて・・・。」 チョイチョイと組み付け、数分で復元は完了。 ガソリンチューブを繋ぎ、 エンジン始動。 「あぁ、いい音・・・。 また遠くへ行きたくなりますね。」 「全くだ。 そうだ、ちょっと試走がてら一回りしてこようか。」 「はいっ!! は、はわわっ!!!」 立ち上がった途端、バイクの振動もあってかバランスを崩して落ちそうに なったシンメイをキャッチ。 「え、えへへ・・・」 「ごめんね、思わず手が汚れたまま握っちゃったよ。。。」 「いえ、気にしないで下さい。 それより早く行きましょう。皆に気づか れる前に、秘密のデートですよ!」 今日はシンメイ、ずいぶんとノリノリだなぁ・・・と思っていたら。 「あー!!! ヌシさん、ずるいー!!」 むくれっ面のリゼがヘルメットの中に入っていた。 「だぁっ!! なんでそこにいるんだっ!」 「この中で寝てたらいつの間にか外に出てたんだよ。 もちろん、あたし もつれていってくれるよねっ!!」 リゼが入っているのに気づかずヘルメット持ち出してたんだな、俺・・・。 ポケットのシンメイを見ると、仕方ないですねと言うかの如く首を振る。 ヘルメットを取り、リゼをシンメイとは反対のポケットに入れようとした のだが、リゼはメーター部分に座りたがった。 この時がリゼにとっては 初のバイク。そう、リゼはこいつのポテンシャルをなめていたのだ。。。 「マスター、希望通りそこへ座らせてあげましょう。」 ポケットのシンメイが、ちょっと悪戯っぽい笑みを浮かべた。 「・・・だな。 ウチの洗礼でもあるし。」 何のことかピンときていないリゼだったが、ひとまずバイクというモノに 乗れるうれしさできゃあきゃあ言っている。 改めてヘルメットを被り、バイクに跨る。エンジンは十分に暖機済み。 ゆっくりと住宅街を抜ける。 「リゼ、落ちるなよ。」 「こんなんじゃ落ちないよっ! 風が気持ちいいね、ヌシさんっ!!」 こやつ、このバイクを完全に侮っているな。。。 誇り高きこいつをなめてかかっていることに、ちょっとむっとした俺。 それは、シンメイも同じであったらしい。 通りに出る直前の信号待ち で、シンメイはくいくいと俺をつつき、どこからか取りだしたゴーグル を装備し、親指を立てた。 「やるのね。りょーかい。」 通りに出る。 昼下がりとあって交通量は少ない。次の信号ですり抜け をして先頭に出る。 「リゼ、落ちたくなければどこでもいいから掴まれ。 いいなっ!」 ちょっと口調を強めて言ったこともあり、何かよく解らない顔付きなが らもリゼは指示に従ってくれた。 右手を捻りエンジンの回転を上げ、 信号が青に・・・クラッチミート! 一瞬フロントを浮かせ一気に加速する。こいつが出た当時、この排気量 ではストックで最も強烈な加速をするバイクと謳われた脚は、現在でも 十分通用する。 下手なハイブリッドスポーツバイクより、ずっと速い。 その調子で信号を二つ三つ過ぎた頃、リゼの様子がおかしいことに気づ いた。 急遽コンビニへ止める。 「大丈夫か?」 「ぬ、ヌシさん・・・・・・ 怖かったよぉ~~~!!!!!」 声をかけるなり、シンメイがいるのも気にとめず、わんわんと俺の腕に しがみついて泣き出した。 「・・・ちょっとやりすぎたかな?」 「大丈夫ですよ、すぐに慣れます。 ささ、リゼ。 わかったら一緒に ポケットへ入りましょうか。」 「うん、そうする・・・。」 「私たちも通った道ですから。 もう泣かないで。」 「えぐっ、えぐっ・・・。」 俺はそっとリゼをシンメイと同じポケットへ入れてやると、再びバイク を走らせ始める。 シンメイが一緒なら、もう大丈夫だろう。 その後、俺は世話になっているバイク屋へもちょいと立ち寄りつつ軽く 一回りして家へと戻った。 帰る頃には、リゼもだいぶこいつの加速に 慣れた様子。 よしよし。。。 「リゼ、もう乗るのやめるか?」 「ううん。 もう慣れた。 さっきはびっくりしたんだよ、あんなにも すさまじい加速できるなんて知らなかったし。 でもね、シンメイにも 教えてもらって、あたしもこの子のことが解ってきたからっ! だから、 あたしも・・・今度から連れていって!」 「いいですよ。一緒に行くのも、楽しいものですから。ね、マスター!」 「し、シンメイ・・・ここは俺が答える所だろう。。。」 「気にしない、気にしない!! あ、今度はリゼにもゴーグルか何かを 買ってあげて下さいね。」 妙に嬉しそうなシンメイ、そしてリゼ。 かくして、俺の所の全員が、バイクに乗る神姫となったのであった。 <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1032.html
戦うことを忘れた武装神姫 その34 <<その33から。。。<< 「うにぁ~~~! くやしいのだー!!!」 わんわんと泣きじゃくるエルガと、困惑した表情を浮かべ猫じゃらしで必死にあやそうとするコリン。 「まぁ、装備の差もあるかr・・・い、いででっ!! 腕毛をむしるなって!」 「うにゃぁ~! やだやだ、にゃーも負けたくないのだー!!! にゃああぁぁ~~~!!!」 いつになくじたばたと暴れるエルガに、さすがの久遠も困り果てた。 右の腕毛をむしらせつつ、久遠は財布をとりだしてまだ装備状態のままのイオにお札を渡し一言二言。 イオはいつもの笑顔で頷くと、ふよふよと店の外へと出ていった。 「もう泣くなって。 今、イオが下にたい焼き買いに行ってくれたから。」 頭をなでながら久遠が言う。 「にゃうぅ・・・? たいやき・・・?」 「今日は特別に一匹食べていいぞ。」 その言葉に、ぱっと明るい顔に切り替わり、まだ涙の残る目で久遠を見つめた。 「いっぴき、たべてもいいの?」 「一匹ぜ~んぶ食べて、いっしょに厄も食べちゃおう。な。」 「ふぇ・・・うにゃぁん。 ありがとなの、にゃーさん!!」 「泣いた子猫が、もう笑った。 ったく、もう。」 笑顔でエルガを突付く久遠の指に、エルガもじゃれ付く。 まもなく、入り口からイオが戻ってきた。手にはコンビニの袋、中には・・・特大のたいやき。 「ふぅ、もどりました~。 はい、エルガ。」 がさがさと袋からたいやきを取り出し、渡そうとしたが・・・エルガに届かなかった。 「なんだ、やっぱり久遠たちだったんか。 どこかで見た事あるアーンヴァルだと思ったよ。」 上階の東杜田アンテナショップのエプロンをつけたCTaが間に割って入り、たいやきを取り上げていた。 今にも泣き出しそうなエルガに気づいた久遠は、ひったくるようにCTaから取り返した。 「これはエルガの。 ・・・なんだお前、こっちの勤務になったのか?」 「違うわ! 新製品の取り扱い説明に来ただけだ。 ・・・昼飯抜きで仕事してたから腹減って。 悪いけど、それ半分もらうわ。エルガなら半分で十分だろ?」 CTaはそう言うが否や、久遠が手にしたたい焼きの頭側ほぼ2/3をちぎって、あっという間に食べてしまった。 「もっふもっふ・・・ コンビニたい焼きだけど、やっぱうめー! 」 呆然とする久遠の手に、涙目のエルガがよじ登った。 残されたたい焼きはしっぽ側1/3、しかも餡少なめ。 「にゃーの・・・ にゃーのたいやき・・・ にゃーさんが買ってくれた、イオが持ってきてくれた・・・ にゃーのたいやきが・・・」 我に返った久遠、腕に乗るエルガにようやく気づいた。 「お・・・おい、エルガ・・・」 声をかけるも、うなだれたまま返事をすることもなく、小さく震えるエルガ。 「・・・ゆるさにゃい。」 ぴくり。 エルガの尻尾が小さく動いた。 「ぜったいに、ゆるさにゃい!!」 顔を上げると同時に、久遠の腕から飛び降りて傍の卓上にちらばる自らの装備を瞬時に装着し、 「ゆるさにゃいんだからぁあぁっ!!!」 普段の姿からは想像もできない大きな叫びを上げると、ありったけの跳躍力で筐体よりも高く飛び上がり、びくりと驚いたCTaに向かってヤンチャオを振りかざした。 「きゃっ!!!」 なんとか身を引いてかわすCTaだったが、髪の毛が数本、鮮やかに斬られ宙を舞う。 「もう、いくらCTaのねーさまとはいえ、やっていいことと悪いことがあるの! 今日は、絶対に許してあげにゃいんだからぁっ!」 着地したエルガは止めようとする久遠を巧みにかわし、再び大きく跳躍して逃げるCTaに斬りかかる。 「ちょっと! エルガ、やめてっ・・・痛っ!!!!」 CTaが思わず顔の前に出した腕に3本の爪痕が走り、血がにじみ出た。 慌てたコリンが、緊急用神姫捕獲ネット射出機を持ち出してイオと共にエルガを狙い数発打ち出すも、エルガはCTaを追いかけつつ鮮やかにかわし、切り刻んで回避してしまった。 むしろエルガを追う久遠が、電撃ネットを被ってしまい頭がチリチリに。 そして、CTaがフロアの出入口まで来たとき。 「ふーっ!ふーっ!!!」 しっぽの毛を逆立てて怒るエルガは、受付カウンターを足場にCTaを大きく飛び越すとCTaの前に立ちはだかった。 「わ、悪かった! あたしが悪かったよぉ!!!」 久遠にも滅多に見せる事のない、今にも泣き出しそうな顔のCTa。しかしエルガは、 「謝ってももう遅いのだ! にゃーの怒りの一撃を受けるのっ!」 CTaの顔に狙いを定めて飛びかかった。 エルガのあまりの様子に硬直したCTa・・・ ざく。 ・・・ヤンチャオは、腕に・・・ 間に入った久遠の左腕に、深々と刺さっていた。 「いい加減にしろ、エルガ!!!」 すぐさまがっちりと右手でエルガを捕獲。 「はーなーせー!! はなすのだーー!! はなせーーー!!」 久遠の手の中で暴れに暴れる。 なんとか抑える久遠だったが。 「うにぁ~!!!」 がぶっ!! そんな久遠の手に、エルガは容赦なく噛みついた。 「ふーっ! ぐるるる・・・!!」 久遠の右手に噛み付くエルガの眼は、普段とはまったく異なる鋭く深い翠色に。 「うるるぅぅぅ・・・ ぐるるる・・・」 噛みついている部分からたらりと血が流れるも、久遠は払いのけもせずにそのまま噛み付かせている。 CTaは手を出すことができず、彼らを冷や汗混じりで見つめるだけ。 騒ぎを聞きつけ他のフロアから集まった野次馬たちの視線も彼らに集まる。 数分の後。 「・・・エルガ・・・。」 久遠が噛み付いたままのエルガの頭をそっとなでた。 「・・・うみぃ?」 はっと我に返ったエルガ。 目の前には血だらけの久遠の手。 「落ち着いたか? ・・・今日は本当に厄日だな、おまえ。。。」 叱ることもなく、そっと血の付いたエルガの頬をぬぐう久遠。 ようやく我に返り、目の前の惨状に自分が何をしたのか理解したエルガは、瞬時に泣き顔になった。 「ふぇ・・・」 「泣くんじゃない。ちょっと野生が顔を出しただけだろ?」 ・・・「野生の力」。 猫爪型の持ち味でもあり欠点でもある「野生」。 普段バトルをする猫爪であれば、バトルにて「野性」を発散させることもできようが、久遠のところでは発散させる機会も少ない。加えて、今日のように色々と積み重なってしまうと・・・マイナス方向に爆発してしまうことも。 しかし付き合いも長く、猫爪・・・いや、エルガをよく理解している久遠はむやみに叱る事をしない。 -なぜなら、猫爪としての「エルガ」を否定してしまうから- 。 「イオに聞いたよ、朝から大変だったみたいだね。」 エルガが今、何を求めているのか- 。理解している久遠だからこそ、痛いほどによくわかっていた。 血が付かないように気遣いつつ、久遠はエルガを手で包み込むように抱き上げた。 「野生」に流され、孤独を覗き込んでしまったエルガを、大きなココロで包み込んであげたい- 。 「ごめんな、気がついてあげられなくて。」 「ううん、にゃーさん。 ・・・にゃーさん、ありがとなの。」 エルガは久遠の指にぎゅっと抱きついた。 「でもね。女の子の肌に、まして顔に傷つけようとするのはいけないよ。」 穏やかに語りかける久遠の手の中で、涙目で頷くエルガ。 「うみぃ、ごめんにゃさい・・・。」 「はは、俺は大丈夫だから。 それよりも、CTaに謝ろうか。」 「うにゃん。。。」 エルガを左手に乗せて振り返ると、先にCTaが口を開いた。 「ごめんな・・・。 エルガ、イオ・・・久遠。。。」 素直に頭を下げるCTa。 エルガもまた、久遠の手の上で頭を下げる。 「にゃーこそ、ごめんなさいなの。 飛びかかって、怪我させて、ホントごめんにゃさいなのっ!」 その光景に、周囲の人だかりから何故か拍手が沸き起こる。CTaの肩に座ったドゥルシラがぼそりと呟いた。 「ここの週末アトラクションと勘違いされてしまったみたいっすよ・・・?」 一瞬どうしていいか迷う久遠の足元でイオが目で合図を送っている。 「とりあえず・・・場に合わせればいいのかな?」 久遠はエルガを手にしたまま、血だらけの手を振って野次馬改めギャラリーにこたえる。 CTaもとりあえず手を振ってみる。 より大きな拍手が沸き起こった。 ・・・この出来事は、後に神姫とマスターの深い絆を示した、東杜田技研のアトラクションとして随所で取り上げられたと言う。 >>久遠の怪我は・・・?(その34.5へ)>> <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1033.html
戦うことを忘れた武装神姫 その34.5 <<その34から。。。<< 「いってーーー!!!」 CTaの計らいで、処置のためアンテナショップの控え室へ引っ込んだ久遠の第一声。 右手、なんとか出血は止まったものの、容赦ないほどに腫れ上がっていた。 「これ、どうするんですか? マスター・・・。」 消毒液を持ってきたイオも、びっくりして目を丸くしている。 「こんなに腫れちゃって・・・痛くないんすか?」 「ドゥルシラ触るな! 痛いって言ってるだろっ!!」 苦笑いしつつ左手でドゥルシラを引き離す久遠は右利き。利き手がダメになっているわけで・・・と。 「マスター、腫れが退くまで、私たちがマスターの右手になりますよ。」 イオが、まだ涙顔のエルガを慰めながら声をかけてきた。 「にゃーもお手伝い・・・ひっく・・・するの・・・えぐっ・・・」 「だー!泣くなー!! お前の泣き顔見てるとこっちまで泣きたくなるんだよ。 よーし、泣かなかったら手伝うことを許可しよう。」 痛みをこらえつつ、左手でエルガの頭をぐりぐりと撫でる。 「ホント?」 「うん、ホント。」 久遠の優しげな目に、エルガにいつもの明るい笑顔が戻る。イオもほっと小さく息を付き、 「良かったっすねぇ、エルガさん!」 と、傍らのドゥルシラもようやく緊張が解けて笑顔が戻った。 「うん、よかったのだ! ありがとなの、にゃーさん!!」 「よしよし、笑顔になったな。 それじゃ早速お願いしようかな。 まずは・・・ん?」 久遠が顔を上げると、そこには紙で作った即席のナースキャップを載せたCTaが。 「・・・と、とりあえず・・・あんたの右手が治るまで、あたしも・・・責任持ってお前の手伝いしてやるよ。」 と、顔を真っ赤にしながら久遠の右手の処置を始めた。 「・・・上手いな。」 「まぁね。」 手つきの良さに驚く久遠を後目に、さくさくと処置完了。 「さて、これでよし。 左腕だしな。ヤンチャオの傷もやっておくから。 ・・・それからたい焼きを買ってくるよ。」 左腕をさしだした久遠は、包帯の巻かれた右手を横に振った。 「たいやきだけじゃ、足りないだろ? なぁ、エルガ。」 意味深いにやり笑みを浮かべた久遠の肩に、エルガはもそもそとよじ登り、久遠の顔付きをまねてにやり笑い。思わず身構えるCTaに、びっと指をさしてエルガは言った。 「にゃーさんのいうとおりなのだ。 たいやきじゃ、全然足りないの。 あのね、あそこのケースに入ってるバイクちょうだい!」 CTaは一瞬目を丸くしたが、苦笑いを浮かべつつ、 「はいはい、あたしの権限でなんとかしてあげますよー。」 半ば投げるように答えた。 すると。 「では・・・その上にあります、コンデンサーユニットを私に。」 「あの暗視スコープセットが欲しいっす!」 イオとドゥルシラまでもが要求。 ひきつった笑みになったCTa、顔を上げれば・・・ 「自業自得。諦めるんだな。」 笑いをこらえているのがあからさまにわかる久遠の顔。 ・・・肩を落としたCTaは、懐を探ってカードを取り出しイオに渡した。 「ほらよ。 ・・・いいか、いまお前らが言ったその3つだけだぞ!!!」 「はーい!」 エルガ・イオ・ドゥルシラは、3人揃って返事をすると、キャッキャと店舗へと駆けていった。 「ところでさ。 おまえん所にもう一人寝られる余裕はあるか?」 久遠の左腕に包帯を巻きながら、CTaはぼそりと尋ねた。 「は?」 「さっき言っただろ、責任持って手伝うって。」 「はぁ?」 「だーかーらっ! ・・・1週間くらい、泊まり込みで手伝うっていってんだよ!」 腫れている久遠の右手をバシバシと叩くCTa。 「いでででっ!!! わかったわかった! わかったから叩くなっ!」 「で。余裕はあるのかないのか! どっち?」 「神姫と一緒でよければ。」 「よし。じゃ、あとでお前ん所に行くからな。 ・・・勘違いするなよ! 一週間だけ、手伝うだけなんだからなっ!」 左手の包帯を巻き終えたCTaは、顔を真っ赤にしながら久遠を見ることなくその場を後にした。 「これは・・・ 普通は喜ぶべきシチュエーションなんだろうけれど・・・」 包帯が丁寧に巻かれた右手と左腕を見つめる久遠は、大きくため息ひとつ。 「・・・あいつのことだからなぁ。。。」 今夜から彼の神姫たちとCTaの間で、間違いなく「バトル」が繰り広げられるであろうことを想像し- -いかにして近隣に被害を出さないようにするか。 早くも対策をあれこれと考える久遠であった。 <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/96.html
メインキャラ 藤堂 亮輔(トウドウ リョウスケ) リンのマスターであり、武装神姫関連の下請け会社(意外と業績は良い)に勤務している。 最近やっと生活に余裕が出てきた。 最初は神姫に興味が無かったが友人をはじめ、周りの人間がほとんど神姫を所有していたので、「流行に遅れるわけにはいかない」と再販日に人ごみに突撃して「リン」を購入。 小さい頃からロボットが好きでプラモデルやキットを弄ったりしてたので意外と手先は器用。 友人には特殊なスキルを持った人間が多く、その人脈を使って試作パーツのモニターをさせてもらったり、職人芸のパーツを卸売り価格で譲ってもらったりと意外と神姫に関して都合の良い環境にいるらしい。 バトルに際してはリンやティアが常に100%の能力を発揮できるように、大会前日はパーツのメンテナンスに一晩かけるほど。 そういった面ではかなり几帳面らしい。 リン(悪魔型 ストラーフ) 亮輔の買った初めての神姫であり、良きパートナー。 亮輔に尋常で無い想いを寄せているがそれを隠して普段は生活している。 普段は礼儀正しい中、たまに亮輔に甘えたりと公私の分別はわきまえている様子。 なおマスターである亮輔を侮辱するヤツは絶対に許さない。 多重登録防止のため「リン」で登録できなかたっため、バトルサービスでの登録名は「燐」。 バトルスタイルはレッグパーツの脚力を生かした変幻自在の動きとエアリエル技。 基本的に接近戦仕様の武器しか扱わない。というか射撃武器は基本パイソン357マグナム2丁のみ。 エアリエル技には「烈空」、「隼」とった漢字の名称が与えられている。 戦闘において敵をだましたりといった行為が全く無く、正々堂々とした戦いぶり故か、いつのまにか「黒衣の戦乙女」といった二つ名をもって(もらって)いる。 ちなみにカワイイ物好きであり、ポ○モンやぬいぐるみ等を好む。 ティア (天使型 アーンヴァル) リンより半年遅れて亮輔の家族になった神姫。 彼女は以前ルクレツィアという名でサードリーグ中のトップランカーの神姫として名をはせた。 がマスターの違法行為により改造され、プログラムで思考さえも変化させられていた模様。 リンに倒された後は元のおしとやか?(典型的なお嬢様的思考、言動)な性格に戻る。 彼女の元マスターが捕まる際に彼の意志で亮輔に託される。 なおプリセットの都合上亮輔を「ご主人様」と呼ぶ。 多少のレズっ気があるらしく、リンを「お姉さま」と呼び慕うほどである。 また戦闘において好んで扱う武器が鞭やら鎖やらと、外見とのギャップが激しい。 篠崎 茉莉 (シノサキ マツリ) 亮輔の幼なじみであり、幼少時の関係から勝手に親同士が決めた亮輔の許婚である。 年は五つも離れているのだが、小さい頃は近くの家には同年代の子がいなくていつも亮輔が遊び相手だった。 その結果いつのまにか亮輔よりロボットなどに詳しくなっていて、神姫を買う最後の一押しをしたのは彼女。 小さいころは亮輔をお兄ちゃんと呼んで慕っていた。 小学時代に1度重い病気になり(亮輔は妹のようにかわいがっていたからほぼ毎日見舞いに通った、これが婚約の原因だと思われる)その結果一年遅れで進学した。 なので今は19歳で大学一年生。 サブキャラ 倉本 本名不明。亮輔の友人であり同僚。 根っからのオタクであり、神姫からアニメ、果ては企業のまだ発表していない情報までなんでも知っている。 正にオタクといった見た目に対して性格はさっぱり系で、初対面でそのギャップに驚く人が多い。 ちなみに人の好みに合ったものをほぼ確実に選ぶことの出来る「買い物の天才」である。 レオナのマスター イベントで急遽開催された新人戦の選手。 亮輔を勝手にライバル視しているが戦績は芳しく無い模様…… レオナ リンの初陣の相手、犬型のハウリンタイプの神姫。 おとり作戦で燐を追い詰めるが、亮輔を侮辱したことで怒った燐に倒される。 マスターの戦略に忠実すぎるためか、予想外の事態にめっぽう弱い。 ルクレツィアのマスター サードリーグにおいてのトップランカーであり、常に勝ちを求めた。 ランク的にはセカンドに挑戦できるレベルだが、相手を叩き潰すのが好きなようでサードリーグに常駐し、ルクレツィアにさまざまな改造を施していた。 そしてついに違法パーツにまで手を出して、亮輔との対戦後逮捕される。 ルクレツィア ティアの以前の名称。強化アームユニットと違法内部フレームによって己の3倍はある刀身の斬艦刀を振り回すダイナミックな戦いをしていた。 バックパックには対艦刀が多数マウントされており、内部の隠し腕でそれを展開した姿は某グ○ーバス将軍の様だった。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/975.html
戦うことを忘れた武装神姫 - type_S -01 楽屋 フィーナ「お疲れ様でしたー。」 イオ 「さてtype_S 第一回は、いきなり実験風味だったわけですが。」 リゼ 「な? あたしたちカッコイイだろっ!!」 マーヤ 「あ、あの・・・やられる側の身にもなってくださいよぉ~(半泣」 ヴェルナ「もう。 もっと手加減して下さいっ!! それに最後のLC3!! 私たちの髪までもが焦げましたよっ!!」 イオ 「あら、まぁ・・・ごめんなさいね。」 リゼ 「あとでヌシさんに頼んでケアしてもらおう。久々のバトルシーンだったから、ついつい力が入っちゃってさぁ。」 エルガ 「え・・・にゃーたち、死んでるの?」 イオ 「そういう設定ですね。 マスターの女の子は、ある日のバトルでマオチャオとハウリンをコアまで破壊されt・・・あ。」 シンメイ「いいんだいいんだ、どうせそういう役割が向いているんですよー。日陰者のハウリンですよー。(いじいじ」 リゼ 「まぁそう言うなって。今度はシンメイたちが活躍できる話・・・だといいんだけど。」 シンメイ「・・・慰めになってませんよ・・・(いじいじ」 フィーナ「はいはいはい、そこまで。 シンメイもすぐにいじけないで! 次のアップはいつになるか分からないですけれど、マオチャオとハウリンのお話になるんですから。」 エルガ 「にゃー!!! やったぁ!!!」 フィーナ「・・・で、アーンヴァルの水没シーンがあるんですが・・・」 リゼ 「イオ、逃げるな。 覚悟決めろ。」 イオ 「濡れるのはイヤーーーーー!!!」 シンメイ「・・・本当にハウリン・マオチャオの話なんですか?(ぼそ」 type_s -01 お し ま い <<トップ へ戻る<<
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1031.html
戦うことを忘れた武装神姫 その33 その日、エルガは朝からご機嫌ナナメだった。 久遠の目覚まし当番だったが、目覚まし時計と間違えられて思いっきりぶっ叩かれた。 ・・・けれど、いつもと違う起こし方をしようとした自分が悪いと思って諦めた。 朝のデザートにと、昨夜残しておいたプリンが無くなっていた。向こうでリゼが食べている。。。 ・・・けれど、自分のものである目印を付け忘れた自分が悪いと思って諦めた。 久遠は休日だったけれど、持ち帰った仕事で手一杯。 シンメイとリゼはかえでのところへ遊びに行ってしまい、イオは日溜まりでウトウトするだけ。 だれも遊んでくれない。 ・・・けれど、あらかじめ皆に遊びたいことを伝えていなかった自分が悪いと思って・・・。 えぐっ。。。 えぐっ。。。 台所の片隅、インスタントコーヒーの瓶の陰で、こみ上げる寂しさを抑えきれず独り涙をこぼすエルガ。 なんで、なんでにゃーだけが・・・。 涙が膝頭を湿らせ始めたその時だった。 「エルガ、こんな所で何やってるんだ。」 突然の声に振り返ると、そこにはコーヒーの瓶を手にした久遠。 「お前も一緒に飲むか? ・・・っと、お前はココアの方が好きだったよね。」 ココアの瓶を取ろうと伸ばした久遠の腕に、エルガは思いっきり飛びついた。 「えぐっ・・・にゃーさん・・・にゃーさーーーん!!」 「お、おいおい・・・どうしたんだ。」 「うにぁ~~~!!!」 久遠は、わんわんと泣じゃくるエルガを左腕に付けたまま、右手のみで器用にコーヒーとエルガサイズのココアを用意しテーブルに並べた。 「ほら。もう泣くなって。」 テーブルに座ったエルガは肉球の描かれたエルガ専用のカップを受け取り、冷めているのにまだふぅふぅと冷ましながらココアをすする。 ・・・テーブルに乗せた久遠の左腕にもたれながら。 時折、しゃくるのが腕に伝わる。 そういえばこの数日、全然かまってやれなかったっけ。 「なぁ、ちょいとムサコに行かないか?」 「にゃ?」 「・・・退屈だろ。 ウチも仕事ひと段落付いたから、散歩がてら行ってみよう。 イオも暇そうだから、いっそバトルごっこなんてどうだ?」 エルガの瞳が大きく輝いた。 「にゃーん! いく、行くの!! ね、今すぐいこう! にゃーん!!」 「ちょっと待てっ! さすがにこのスタイルでは外に出られないって。 こら腕毛をむしるな!!」 「にゃーさんとおでかけ! にゃーさんとおでかけー! 久っしぶりのバトルごっこ~!」 先までの落ち込みはどこへやら。 元気を取り戻したエルガは、ヨレヨレのシャツにトランクスだけというスタイルの久遠の腕毛をぐいぐいと引っ張っていた。 それから1時間後。 ムサコ神姫センターに、エルガとイオを連れた久遠の姿があった。 4階のレンタルスペースに陣取り、イオの装備やらエルガの装備やらを展開。 「たまには・・・バトルごっこもいいですねぇ。」 自慢の装備を背負いつつ、イオが楽しそうに呟いた。 「にゃっはー! 今日はまけないよー!!」 今日のエルガの装備は、白を基調として所々に萌黄色が配されたのっぺりとした感じ。ファンビーの代わりに小窓の付いた大柄な盾が付き、脚にはなにやら走行装置のようなものも。CTaから渡された試作ユニット、コード「HTK110-200」だとか。ヘッドユニットも角ばり、どことなく「強さ」の強調されたデザインになっていた。 「張り切るのもいいけれど、ふたりとも程々にね。」 久遠はオペレーターの兎子・コリンに声をかけて筐体内を台所に変更、ふたりが「遊び」やすい環境とした。 構築されたところで、装備を終えた二人を中型筐体のCMU-301へと運び入れる。 土曜ではあるが、まだ午前中とあって客は数えるほどしかいない。これなら順番待ちを気にすることなく、好きなだけ存分に遊ばせる事が出来る。。。 フィールド内を所狭しとかけまわるエルガとイオを眺めて、時折手を振るエルガに身振り手振りで応えつつ。 缶コーヒー片手にまったりと時を過ごしていたとき。 「ういっす! 久遠さん!!」 珍しい声が傍らから響いてきた。 「あれぇ・・・ドゥルシラ?」 「どもっす! 今日はドクターが研修なんで、その間ここで暇つぶししてるっす!」 ドゥルシラはいつもの装備とは違う、きれいに洗濯されたツナギを着用していた。 訊けば、浅川さんが出かける途中にここへ預け、夕刻の帰り際に迎えに来るとのこと。 「でも・・・。」 「?」 「あたしもバトルしたいんすけど、規約で『おうなぁ』がここに居ないからできないっす。」 どうやら浅川は、細かな規約までは知らなかったらしい。 ドゥルシラはため息混じりに、自らの装備の入った袋 -バイクメーカーのロゴ入り- を傍らから持ち上げた。 「うーん。 ・・・そうだ。 なぁ、ウチのエルガと模擬戦してみる?」 「えっ!! エルガさんとバトルっすか? ドクターが居なくてもできるんすか?」 「何とでもなるから。」 そう言うと、久遠はイオとのごっこが一段落して休憩しているエルガを呼び、一言二言。 オペレーターのコリンにも何かを伝え・・・エルガ・イオと共に戻ってきた。 「いいってさ。 さっそくやろう。」 事も無げに、手を差し出す久遠に驚きを隠せないドゥルシラ。 「にゃーさんはね、ここでは『カオがでかいひと』なんだよー。」 「こらエルガ。 それを言うなら『顔が利く』ですよ。」 「うにゃー、ちょっと間違えただけなのー。」 「でかくても別にいいから。ささ、2人とも装備を整えて。」 久遠に促されて、エルガは再びフル装備に。 ドゥルシラは、自慢の複砲・・・すなわちダブルキャノンスタイルとなった。 砲にバックパックと、併せると相当の重量があるはずだが、 「時々、ドクターとここには遊びに来るんすよ。 ・・・閉店間際ばっかっすけどね。」 事も無げにひょいと立ち上がる脚力。日々の仕事で鍛えられた成果なのだろうか。 「へへーん、相手が誰でも、にゃーは負けないよー!」 キャッキャと楽しそうなふたりを手に乗せて、筐体の中へと運び込む。 フィールドは、倉庫街に変更されていた。 ・・・どうやらコリンが気を利かせて、ふたりがまだ試したことのないフィールドを設定してくれた模様。 シールドが閉じられ、 セットポイントに着く。 ・・・バトルスタート。 倉庫の陰から、脚に取り付けられた駆動装置で勢いよく飛び出したエルガに対し、スコープを下ろしたドゥルシラはさっと弾種を変更し、落ち着き払った様子でコンソールを操作。バックパックから二脚だけだして踏ん張るスタイルにすると、右は大きく俯角をとり、左は地面スレスレを狙い、同時に・・・ 「・・・ファイアッ!!!」 猛烈な衝撃なれど、微動だにすることなく弾が発射された。 高く打ち上げられた砲弾に不敵な笑みを浮かべいざ飛びかからんと豪快なジャンプを見せたエルガだったが、 「にゃっはー! どこを狙っているの・・・うにゃあぁぁ?!」 直後に後方で弾が炸裂。爆風により受け身を取る間もなく、エルガは地面に叩きつけられ豪快に滑走。 ・・・低く撃ち出された左の砲弾は地に接して跳弾となり、エルガのちょうど背後にて信管が作動するというドゥルシラのちょっぴり高度な技が見事成功。。。 なんとか痛みをこらえて立ち上がったエルガに、こんどは上方に撃ち上げられていた砲弾から子爆弾が雨あられの如く降り注いだ。 「ぎにゃぁ~~~!!!!」 模擬戦用弾とはいえ、ダメージは相当のもの。 幸いにも手に装備していた盾でなんとかガードするも、それが精一杯。 子爆弾の雨が落ち着いたところで顔を上げれば、真っ正面にドゥルシラ・・・両の砲から、炸弾が発射された。 どどーん。 やはり模擬戦用弱装弾であり、ひらがな表記が似合うマヌケな爆音が響く。 埃がおさまると・・・そこには目を回したエルガ。 「にゃは、にゃひゃひゃ・・・。」 フィールドの様子に、久遠も、イオも、頭を抱えていた。 「ばか・・・相手の装備をハナっから見ているんだから・・・」 「それでも真っ正面から突撃するのは・・・流石はエルガですね。」 「いやイオ、それちょっと違うから。 ・・・どうする? 行く?」 ちょっと申し訳なさそうに眉間にしわを寄せるドゥルシラからエルガを受け取りながら、久遠はイオに尋ねた。 「もちろんです。 いいですよね? ドゥルシラさん。」 「で、でも・・・エルガさんが・・・」 「大丈夫大丈夫。 見た目以上に頑丈だから。 エルガはウチが看ておくから、好きにやっておいで。」 久遠に促されて、ドゥルシラとイオは筐体の中へ。 セットポイントに着くや否や、ドゥルシラは先までの遠慮はどこへやら、飛び上がったイオめがけて、誘導弾をバンバン打ち出していた。 まだ目を覚まさないエルガを手に乗せて、久遠はドゥルシラとイオの模擬戦を眺めていた。 ・・・イオは、久遠家ではリゼと並んで「実戦」に長けている神姫、ドゥルシラはいきなり劣勢になった。襲い掛かる誘導弾を次々に撃破、軽々と片手でLC3をかまえ、カーブミラーを用いた反射攻撃を仕掛ける。 球面鏡なので拡散してしまうが、目潰しには十分。 高性能スコープが仇となり一瞬視界を奪われたドゥルシラだったが、補助レーダーが自動反応、接近するイオに向けて地対空豆砲を放出。 イオは慌てて空中急制動をかけるも間に合わず、少なからずダメージを負った。 久遠もドゥルシラの動きに感心。。。 「ほうほう・・・ドゥルシラもずいぶんとやるもんだ。 イオとタメ張ってバトルできるとは。」 ・・・とはいえ、経験に関してはイオがずっと先輩格。 先のような反射攻撃のみならず、構造物を用いた視覚トラップを駆使し・・・やがてドゥルシラは倉庫の脇に積まれたコンテナによって自由な射角を取ることができない場所へと追いつめられた。 がん、がらがらら。 上方から、ドラム缶が数個落ちてきてドゥルシラの目前へ。 積み上がったドラム缶を撃ち抜けば突破口は開けるが、間違いなく自らも大きくダメージを受ける・・・と。 気配を感じ見上げた、コンテナに切り取られた空には・・・ 「チェック・メイト。」 イオが、ニコニコとした笑みを浮かべながらLC3改を構えていた。 驚き半分、感動半分。ドゥルシラは蒼い空を背に浮かぶイオの姿に憧れに似た感情を抱きつつ、白旗を揚げた。 「いやぁ、いい経験になったっす! どうもありがとうございまっす!」 「いえいえ。 こちらも楽しめましたから・・・あ、あら?」 シールドが解除されて、和気藹々と筐体からでてきたイオとドゥルシラが見たものは。 >>驚きの光景は、その34にて!>> <<トップ へ戻る<<